最近ご主人様は忙しい。飼い主が忙しいと飼い犬も気忙しく、こちらのブログの更新が大幅に遅れてしまった。人生は短いのに紹介したいペーター•ダムの名演はまだまだたくさんある。少し急がねば。
今回は、シーズン2 第2回で紹介したアルバム、「Hornkonzerte der Vorklassik」の冒頭を飾る、テレマンの「ホルン協奏曲 ニ長調」をご紹介する。
テレマンではペーター•ダムの美しい高音を聴くことができる。うちのご主人様は高音が苦手で、「ペーター•ダムと同じマウスピースを使えばきれいな高音が出るかも。」と考えて、ドイツで楽器の街として有名なMarkneukirchenにあるSchmidtという工房を訪れている。当時も今もドイツ語を話せないご主人様は、英語をほとんど話せないSchmidtの主人との会話にかなり苦労したが、「Peter Damm, Peter Damm!」を連呼して、何とか「Prof. P. Damm」というマウスピースをゲットした。
Schmidt社製、「Prof.P.Dammモデル」
「これで今日からダムの美音は思いのまま。しめしめ。」と期待して自分のホルンにつけたものの、美音とは程遠い音しか出なかったそうで、「楽してペーター•ダムになることはできない。」、と反省したそうだ。
話がそれてしまったが、やはりペーター•ダムの美音は録音で楽しむのが良い。
演奏者と録音について
指揮者: Hartmut Haenchen
オーケストラ: Kammerorchester C.Ph.E.Bach der Deutschen Staatsoper Berlin
録音技師:Heinrich Eras
録音日時:1981年(ペーター•ダム 44歳) 録音場所:ベルリン Christuskirche
「ペーター•ダム的」聴きどころ
第一楽章 Allegro
毎日のいろんな出来事がどんどんやってきて、それを一つずつ片付けていく。立ち止まって考えている時間はない。そんな忙しい毎日を送る私たちをホルンで応援してくれるような、溌剌とした演奏を楽しめる。
第二楽章 Largo
毎日楽しいことがあれば良いが、ときには悲しい出来事に見舞われてしまうこともある。そんな時にそっと横から慰めてくれるのがこのLargoだ。とても短い曲だが、ペーター•ダムの名演の一つだと思う。
第三楽章 Allegro moderato
寂しい気持ちを一瞬で吹き飛ばしてくれる元気に満ちた曲。ご主人様の「ダム道」の兄弟子であるK氏によると、ペーター•ダムはこの時代の曲の演奏についても深く研究をされていて、リピートの1回目は弱く終わる、2回目は必ず装飾音を付けて変化させる、などの演奏法を厳格に守って演奏している。1回目と2回目がどう変化しているか、注意しながら聴くと更に楽しい。