彼の音楽を大好きな理由は次の3つだ。
- あふれ出る「歌ごころ」
- 卓越した演奏技術と音楽性
- 暖かい人間性そのままの音色
1)「歌ごころ」
「歌ごころ」はペーター•ダムの最大の特徴だ。オーケストラの中でホルンはまれにソロを吹くが、多くは和音をただ伸ばすような伴奏が多く、他の楽器の引き立て役にまわることが多い。
ペーター•ダムの場合、伴奏時でも必要だと思えば歌うことをやめない。全音符(4拍)を伸ばす場面でもビブラートをかけて歌ってしまう。その歌い方はオーケストラ全体の中で決して浮いたりせず、むしろオーケストラ全体を高揚させる。ペーター•ダムは全身が音楽のかたまりで、伴奏だろうとソロだろうと「歌ごころ」が自然とあふれ出てしまうかのようだ。
2) 「卓越した演奏技術と音楽性」
ホルンは数ある楽器の中でも最も難しい楽器と言われている。難しい理由は、伸ばすと約5メートルにもなる管の長さのせいだ。気をつけていても出したい音と別の音が出てしまう。現代の奏者の技術は上がったとはいえ、ペーター•ダムの演奏技術は現代最高クラスの奏者の数段上をいっている。しかし、技術があるからといって技巧に走らないのがペーター•ダムの素晴らしさだ。技術はあくまで歌ごころを表現する手段にすぎない。
3) 音色
ペーター•ダムの最大の魅力はその「音色」だ。「ホルンの音が好き」という人は多い。しかし、そのホルン吹きすら唸らせるのがペーター•ダムの音色だ。布にたとえると、普通のホルンが木綿だとすると、ペーター•ダムだけは極上のシルクかそれ以上、と表現すれば納得してくれる人も多いだろう。
ごく一部には「これはホルンの音色っぽくない」と言う人もいる。慣れているものと違う点は確かだろう。しかし、彼自身の人柄や優しい声そのままの暖かい音色は、聴く人の多くを魅了するのは事実だ。とにかく人柄も音色も暖かいのだ。
ご主人様の長い駄文はここで終わっている。稚拙な文章だが、読んでいるうちに飼い犬の僕もペーター•ダムというホルン奏者に興味がでてきて、こっそりご主人様のレコードを聴いているうちにファンになってしまった。日本の柴犬すら魅了するペーター•ダム、実に恐るべし。
前置きが長くなってしまったが、これからペーター•ダムを聴いてみたいという人に向けて、ご主人様のライブラリーの中からペーター•ダムの名演のいくつかを紹介しようと思う。
どうぞお楽しみください!
はじめまして、だむ実と申します。Kuutaをサポートしますね。